こんにちは、豆腐ラボです。
乾燥大豆を水でもどそうとしたけど、「うまく水が吸収されない…」「硬いまんまだ…」って浸水を失敗した人に知ってほしい、とっておきの裏技があります。
それは、「お湯につけること」。
大豆が上手くもどらない時の裏技
お湯を使う
大豆の吸水がうまくいかない時は「豆をお湯につける」のが一番の解決策です。
水の温度が低いと上手くいかない
大豆を前日の夜に水につけたけど、豆がちゃんと水を吸ってない…
って失敗ありませんか?
水はたっぷり入れて、時間も12時間以上置いたのに…
そういう失敗は大抵、「水の温度が低かった」ってのが原因の場合がほとんどです。
水の温度が低いと、豆の中に水が染み込んでいきません。
上手く水を吸収させるには「温度」が重要
想像してみてください。
「氷水」に手を入れるのと、「お湯」に手を入れたとき、どちらの方が「手がふやける」のが早いですか?
氷水に入れると<キュッと肌がしまって>なかなかふやけないですが、お湯に手をつけると<ほわぁんと肌が緩んで>しわっクチャにふやけてしまいませんか?
それと同じことが大豆にも起こっているんです。
大豆が水を吸収するってことは、大豆を<ふやふや>にふやかすってこと。
キュッと締まる温度が低い水よりも、ほわぁんと緩むお湯の方が水が染み込みやすいんです。
最初からお湯でもどせばいいじゃん
「じゃあ、なんで、前日からお湯につけないの?」って疑問が浮かんでくると思います。
その理由は、長い間お湯につけておくと「豆が痛んでしまうから」なんです。
温度の高い水は、豆に水が吸収されやすくなる代わりに、『ばい菌、微生物の繁殖が活発になってしまう』っていう悪い点もあります。
長い間、微生物が多い水に浸けておくと、豆が悪くなってしまう。最悪の場合、食中毒を起こしてしまう危険性があります。
なので、短時間でもどす場合のみ「お湯」を使うことができるんです。
豆腐作りの場合は最終手段
豆腐を作るときは、お湯でもどした豆を使うと、美味しい豆腐ができません。
温度が高い場所と低い場所の温度ムラができてしまうからです。
水でもどしたけど、「もうちょっと、もどりきってないな」「もう、豆をつけておく時間がないぞ」って緊急事態にしか使わない裏技です。
お湯を使うとボケる
お湯でもどしきる裏技ですが、豆腐作りにとっては、悪いこともあります。
豆腐を作る時には、大豆に完全に水を含ませた状態にすると「ボケる」と言っていい豆乳が擦れなくなります。
ちょっとだけ芯が残っているぐらい、8割ぐらい吸水させている大豆を使うのが基本なんです。
豆がボケてしまうと、豆乳もボケた豆乳になり、にがりを入れても、上手く固まりません。柔らかく水っぽい豆腐になってしまう。
そこの見極めが豆腐作りの難しいところなんです。
データを活用した豆腐作り
美味しい豆腐を作るには、<勘>と<膨大に蓄積させたデータ>が必要。
豆腐作りは職人さんの勘を頼りに作られてきましたが、これからは化学の知識を持った人がデータを取りながらの作り方にシフトしてくるはずです。
豆腐作りは、職人技から化学反応の結果できる食べ物に変わってくる。
お湯でもどすのが常識になる時代
それでも、美味しい豆腐を作るためには「勘所を押さえる」技術、直感はこれからも必要になってきます。
これからは、あらゆる条件で作り方を試し、データを取れるようになると「今までの豆腐作りの常識」も変えることができるかもしれませんね。
50年後は「大豆はお湯でもどすのが常識」な時代がくるかもしれません。
若い感性で、ビックデータを駆使して豆腐を作れる職人さんに期待したいところです。
じゃあ、またね