こんにちは、豆腐ラボです。
本記事では、
「豆腐ってどんな種類があるの?」
「それぞれの種類の豆腐の特徴は?」って質問にお答えします。
本記事を読むと、
POINT・豆腐の種類がわかる
・それぞれの種類の豆腐の特徴がわかる
・種類別、豆腐の使い方がわかる
6年間、豆腐職人をしてきた経験に基づいた情報です。
豆腐の種類を知って、美味しく豆腐を食べましょう!
豆腐の種類
豆腐の種類は、
・作り方
・味付け
・加工の仕方
によって、種類が変わってきます。
基本的な種類は「作り方」で決まります。
作り方によって、5種類の豆腐ができます。
その5種類とは、
・きぬ豆腐
・もめん豆腐
・充填豆腐
・ソフト豆腐
・ゆし豆腐
基本は、この5種類に分けられます。
ただ、味付けを変えると、また別の種類になります。
例えば、きぬ豆腐の作り方で、えだまめペーストを混ぜると、「えだまめ豆腐」になったり、黒ごまペーストを混ぜると「黒ごま豆腐」になったり。
トッピングと、大豆の種類で豆腐の種類を分けて表現する会社もあります。
また、豆腐を加工して作る商品も「豆腐」という名前が付いています。
有名なものだと、沖縄の「豆腐餻(とうふよう)」などが挙げられます。
豆腐餻は、きぬ豆腐を発酵させた商品で、もともとの「きぬ豆腐」とは全然違った味の食べ物です。
話し始めると、奥が深い豆腐。
本記事では、一般的な「豆腐」と呼ばれる豆腐の種類を紹介していきます。
【豆腐】基本の5種類
作り方が違う、基本の豆腐は5種類、
・きぬ豆腐
・もめん豆腐
・充填豆腐
・ソフト豆腐
・ゆし豆腐
全ての豆腐は、この5種類に分類されます。
それぞれの種類の特徴を見ていきましょう!
きぬ豆腐
きぬ豆腐は、豆乳ににがりを入れて固めた豆腐。
全ての豆腐の出発点になる作り方の豆腐です。
【特徴】なめらかな食感のものが多く、味が薄い
【最適な料理】麻婆豆腐、冷奴、揚げだし豆腐など
もめん豆腐
きぬ豆腐を型枠に入れて、潰して固めたのが「もめん豆腐」です。
伝統的な豆腐の作り方。
豆腐業界で、昔ながらの豆腐というと「もめん豆腐」を指すことが多いです。
【特徴】味が濃い、大豆の風味を感じる、固い
【最適な料理】煮込み料理、豆腐田楽、豆腐ステーキなど
「もめん豆腐」と「きぬ豆腐」の違いは、こちらの記事を読んでみてください!
関連記事>>>【実は同じ】きぬ豆腐ともめん豆腐の違いとは
充填豆腐
割と最近、開発された作り方の豆腐です。
冷えた豆乳ににがりを混ぜてパック、パックした後に温めて作る豆腐です。
作り方は、茶碗蒸しと同じ感じ。
家庭でも簡単に作れる豆腐です。
豆腐のパック技術向上により作られるようになった豆腐です。
各社で味の開発に力を入れている豆腐でもあります。
関連記事>>>「充填豆腐」は新しい豆腐。潜在能力が高いニューフェイスが革命を起こす
【特徴】水が入っていない、賞味期限が長い
【最適な料理】冷奴、煮物、醤油漬けなど
ソフト豆腐
きぬ豆腐を布で包んで水抜きした作り方の豆腐です。
きぬ豆腐より、食感が固くなり、手で持っても傷つかなくなります。
鍋用の豆腐として使われることが多い豆腐です。
作っている会社が少ないので、店頭では手に入りにくいです。
関連記事>>>冬の寒い季節、鍋に入れる豆腐は崩れにくい「ソフト豆腐」が最適!
【特徴】食感がプリッとしている、弾力がある
【最適な料理】鍋物、煮物、味噌漬けなど
ソフト豆腐を、家庭で10分で作れる方法もあります。
詳しくはこちらの記事を読んでみてください!
関連記事>>>【動画で解説】プロ直伝!豆腐の水切り
ゆし豆腐
別名「寄せどうふ」「おぼろ豆腐」とも呼ばれる豆腐です。
「おぼろ豆腐」はきぬ豆腐のように滑らかで、冷やして食べるのが一般的。
それに対して、「ゆし豆腐」は、沖縄独特の豆腐。
温かいまま食べるのが特徴の豆腐です。
関連記事>>>寒い冬には、沖縄の故郷の味「ゆし豆腐」で温まろう
沖縄の朝ごはんとして人気!
特製の味噌だれをつけて食べると美味しいです!
関連記事>>>「とうふの比嘉」へ行ってきたよ!
【特徴】豆腐が温かい、作りたて、沖縄では朝ごはんの定番
【最適な料理】そのまま食べる、おぼろ豆腐は冷奴
一手間加えた豆腐の種類
基本の豆腐5種類に一手間加えた豆腐です。
代表的なものを紹介していきます。
鍋豆腐
別名、「鍋用豆腐」「しっかり豆腐」として売られている豆腐です。
基本は「きぬ豆腐」なんですが、にがりの種類や固める温度を変えて固めにしています。
【特徴】固いきぬ豆腐、ソフト豆腐よりは柔らかい
【最適な料理】鍋物、煮物などの煮込み料理
堅豆腐
もめん豆腐をさらに固くした豆腐です。
富山、石川、福井などの寒い地域で作られた豆腐。
昔は、雪に閉ざされると外出できないこともありました。
そんな時に、もめん豆腐の水をできるだけ抜いて、保存性を高めた堅豆腐が作られます。
冬の間のタンパク源としても重宝された豆腐です。
沖縄では、島豆腐として売られています。
北陸の豆腐ほどではありませんが、しっかりとした硬さが特徴の豆腐です。
【特徴】固いもめん豆腐、縄で縛ってつるせるぐらいの硬さ
【最適な料理】鍋物、田楽、豆腐ステーキ、味噌汁など
焼き豆腐
もめん豆腐の表面をバーナーで焼いた豆腐です。
黒く焦げるぐらい焼き目を入れるのが一般的です。
大阪の一部の地域では、正月用の雑炊に入れて食べます。
焦げ目がついているので、香りが香ばしい豆腐です。
【特徴】香りが香ばしい、水分が少ない
【最適な料理】煮物、田楽、豆腐ステーキ、おでんなど
ざる豆腐
ざるによそった豆腐です。
「おぼろ豆腐」をざるによそったのが一般的ですが、会社によっては水切りした「きぬ豆腐」を使っていることもあります。
冷奴や、冷やして食べることを目的としたものが多いです。
【特徴】水切りされていて固め、味が濃縮されている
【最適な料理】冷奴、サラダなど
青竹とうふ
京都でよく見かける豆腐です。
作り方は、充填豆腐の要領で作られているものがほとんどです。
青竹に入れられているものや、青竹の形をしたプラスチック容器に入れて作られた豆腐。
竹には、抗菌作用がありますが、近年では衛生面を考えて、プラスチック容器を使っている会社がほとんどです。
夏の時期に清涼感を感じることができ、お土産にも人気の商品です。
【特徴】清涼感を感じる、お土産にも人気
【最適な料理】冷奴、サラダなど
味付けが違う豆腐の種類
豆腐の製造工程で、味(ペーストや具材など)を加えて作ると、種類が違う豆腐になります。
色々な味付けの豆腐がありますが、代表的な種類を紹介します。
えだまめ豆腐
充填豆腐の技術が発達したことによって作ることができるようになった豆腐です。
枝豆ペーストと、砕いた枝豆が混ぜ込まれている豆腐です。
夏の時期に、冷奴としても人気の商品です。
【特徴】枝豆が入っている、味が甘め
【最適な料理】冷奴
黒ごま豆腐
ごまペーストを練り込んで作られた豆腐です。
基本は、きぬ豆腐の作り方で作られているものが多いです。
京都の木屋町にある「賀茂とうふ近喜」の「みかげ豆腐」が有名。
御影石のような見た目の黒ごま豆腐です。
ごま豆腐は豆腐ではない
黒ごま豆腐と似た名前で「ごま豆腐」があります。
福井の永平寺などで作られている「ごま豆腐」は、にがりを使った豆腐ではなく、葛粉やデンプンなどで固めている豆腐です。
にがりを使わないと「豆腐」と名乗ることができないので、「ごま豆腐」は正確には豆腐ではありません。
ちなみに、「ごま豆腐」は原料に葛粉(くず)を使っているのが一級品です。
関連記事>>>ごま豆腐はなぜ「とうふ」になれないのか
ジーマミー豆腐も豆腐じゃない
沖縄の豆腐にジーマミー豆腐があります。
正確には、こちらも福井の「ごま豆腐」と同様に、にがり以外の凝固剤で固めているので、「豆腐」ではありません。
関連記事>>>豆腐の定義
ジーマミーとは「地豆(じまめ)」のこと。
地面に埋まっている豆、つまり落花生(ピーナッツ)のことです。
沖縄では、ピーナッツ、デンプンを使って作るジーマミー豆腐が一般的です。
関連記事>>>石垣島のジーマーミ豆腐を食べ比べ3種類
加工した豆腐の種類
豆腐を作った後に加工した商品も豆腐の種類に数えられます。
代表的な種類を紹介します。
豆腐餻(とうふよう)
沖縄の豆腐加工食品です。
きぬ豆腐を発酵させて作った商品で、お土産に人気です。
見た目は赤色の液体をまとった豆腐で、豆腐の味噌漬けのようなトロッとした食感をしています。
味は塩辛いので、少しづつ箸で崩して食べるのが一般的です。
沖縄では、居酒屋メニューとしても販売されています。
厚揚げ
基本的に、もめん豆腐をさらに水切りして作られる食べ物です。
180度の油で揚げて作られます。
家庭でも作ることができますが、豆腐は油に沈むので、鍋底に網を敷く必要があります。
きぬ揚げ
きぬ豆腐を揚げて作られた豆腐です。
厚揚げに比べて、食感が滑らかなのが特徴。
家庭でも作ることができますが、きぬ豆腐をそのまま揚げると油ハネして危ないです。
きぬ豆腐を水切りしてから揚げると、油ハネせず滑らかなきぬ揚げができます。
薄揚げ
薄揚げは、薄めに作られたもめん豆腐を揚げた商品です。
生地の中に「ふくらし粉(ベーキングパウダー)」を混ぜ込んだり、揚げた後に機械で空気を入れたりして膨らませています。
家庭では、作ることが難しい豆腐商品です。
がんもどき
関西では「ひろうす」「飛龍頭」と呼ばれている商品。
がんもどきは関東の呼び名です。
おでんの具材などに使われるがんもどき。
地域によって入っている具材が違うのがポイントです。
関東のがんもどきは、人参、キクラゲが入っており、柔らかく出汁がしみやすいのが特徴です。
それに対して、関西のひろうすは、人参、キクラゲの他に銀杏、湯葉などが入っています。食感も固く作られています。
家庭で作る場合は、もめん豆腐を手で崩して、具材を混ぜ、揚げれば完成です。
じゃあ、またね